今回は医療機器代理店営業の役割や職務内容とメリットとデメリットについてお話しさせて頂きたいと思います。
医療現場に近い距離でいることが多い代理店営業。
果たして、実際の仕事はどのような感じなのでしょうか。
この記事で職務内容がご理解頂けるかと思います。
ブラック?きつい?激務?医療機器代理店営業の役割と仕事内容
医療機器の代理店とメーカーは製品を病院に販売するということは同じですが、働き方が違います。
どちらがいいかは、個人の考え方になってくると思いますので、それによって好きな方を選択すればと思います。
医療機器営業の種類とそれぞれの違いについてはこちら。
医療機器代理店について
メリット
病院と契約しているので、基本的に何かしらは売れる。
代理店は病院と販売契約を行っていることが多いです。
なので、基本的にはメーカーは代理店を通して病院に製品を販売します。例えばA、B、Cというメーカーがあり、同様な製品が合計で10個販売できたとします。
その際、A、Bの製品が5個ずつ売れたとなるとCメーカーの製品は売れなかったというケースも出てきます。
このようにメーカーは販売されないケースもあるのですが、代理店はこの全て10個をメーカーから仕入れて病院に販売しますので、完全に売上ゼロということが少ないのです。
これは営業としては心の安心にはなると思います。
病院と関係性が深くなれば自由に販売する物を選択・操作できる。
代理店の営業は一つの病院を担当することが多くなり、担当病院の滞在時間が長くなります。
長時間病院スタッフや事務と過ごすことで関係性が深くなることがほとんどです。
なので、病院側から信頼を掴むことができれば自分優位に交渉を進めることができ、成績も向上していくと思われます。
仕入れ金額が安いメーカーの製品を優先して使用頂けるように交渉できるなどその人の能力によって、営業成績が向上されると思います。
製品知識は広く浅くでも対応可能。
複数のメーカーの製品を扱いますので、製品に対する深い知識は不要です(もちろん深い知識があって損はありません)。詳細はメーカー呼びますでも対応可能です。
むしろ新しい製品が出るといったアンテナを張り、その内容を事前に仕入れることで、自分の担当している先生にいち早く案内するように手配をすることができるかと思います。
ただし、手術などに立ち会いをするケースでは、最低限のトラブル対処方法については学んでおき、対応できるようにしておく必要もあります。
製品に何かがあってもメーカーが責任を取ってくれる。
不具合などが起きた際には代理店側に責任の比重があることはほとんど少なく、メーカーが最終的に責任を取ることになります。事象確認は必要かと思います。
転勤が比較的近場
これも会社規模にもよるのですが、代理店は基本的にはその地方に根付いていることが多く、全国展開している代理店の方が少ない印象です。
なので、転勤するとなっても比較的近場になるので、大幅な引越しなどが不要になるケースが多いかと思います。
メーカーへのステップアップの可能性。
代理店営業の一番の魅力は私はこれではないかと思います。
代理店は先にも記載したように何でも販売することができます。なので、医療機器業界の経験を積みつつ、より高い知識を求められるメーカーへと転職するきっかけとなります。
特に自分が販売することが得意なメーカーを見つけ、それを販売し続けたりすると引き抜きで声もかかることがあります。
もしくは売れていないメーカーがあなたを引き抜くことで販売を優位にする為にスカウトしてくることもあります。
引き抜きの話は嬉しいことですが、ここの選択を間違えるとキャリアを台無しにします。私も同じようにステップアップしてきておりますが、誘われたから行くではなく、本当に行きたいメーカーなのかを見極めて判断することをおすすめします。
医療機器メーカー営業の役割や仕事内容は?メリットとデメリットを紹介
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デメリット
物品の運搬、物流管理が大変。
手術などが決まると基本的には代理店の営業所、もしくは近くの運送屋に物品は届きます。
これをピックアップして病院へ届けるのですが、これもかなりの数になるケースもあります。
これは領域によっては大変かと思います。
また、病院へ設置している製品はメーカーから借りて置いてあることもあります。こういった物品の棚卸は定期的に行う必要があり、紛失するとかなりの金額の損害が出ます。
また、滅菌処理などもされており、その期間が過ぎてしまうと製品を手術で使用することができなくなります。
このような物品の管理は人の命にも関わる為、責任は重大です。
土日、夜間などの緊急手術で呼び出される。
医療機器の代理店の方々で1番きついのはこれかと思います。
会社によっては当番制にしているところもありますが、自分の担当施設で緊急が入った際には対応するのが代理店の仕事です。
医療機器代理店の離職率はこちらも結構起因しているような気がします。
メーカーとの価格交渉
基本的にはどのメーカーの製品も同じ用途の製品であれば、病院への販売価格は同じ価格であることが多いのですが、仕入金額は違います。
先ほどの記載ではA、Bの製品を購入して販売していますが、実はC社の製品の方が仕入れが安かったとしたら、代理店にとってはC社の製品を売った方がいいわけです。
となると、Aと Bの営業担当者には値下げを依頼する必要がありますが、おそらく簡単に値下げはしないと思います。
メーカーとしては今の価格でも製品がいいから売れているわけで、すでに実績がある物をなぜ値下げしないとならないんだー!!となるのが普通です。
そうすると利益率は落ちていき、上司からもう少し利益率を改善させろと詰めてこられるわけです。そうなると C製品を営業に行かないとなりませんが、先生がC製品を気に入ってくれない可能性もあります。
代理店営業の評価判断はこの利益率になりますので、ノルマというよりはここをどれだけ取れるかができる営業とできない営業の差になってきます。
病院事務との価格交渉。
当然ながら最終販売先である病院との価格交渉があります。病院も製品の値引幅で儲けをある程度出しています。
国で決めている償還価格が1万円の消耗品があったとすると、それを代理店が償還価格80%の金額で販売を行うと残りの20%は病院の儲けになるのです。
なので、当然病院としては代理店に値引き要請を行ってきます。
特に病院の経営が苦しくなってくると代理店入札を行い、代理店各社の中で1番安価に納入してくれる代理店を選ぶということもあります。
このようなことにならないように日頃から病院の先生だけでなく、医療スタッフ、病院事務と良好な関係を築き続ける必要があります。
直行直帰ではないこともある。
代理店営業の方は一度会社に出社してから、病院訪問を行うこともあります。
これは実は結構手間ですが、最近は代理店営業の方も直行直帰も増えてきているようではあります。
担当する領域によって、また会社によっても違うと思いますので、入社前に確認しておくと良いかと思います。
給与は良くはない。
こちらはあまり期待できないかと思います。
世間一般に印象のある医療系の営業職の高収入とは少し違うと思います。
これはどうしても仕方ないことですが、ある程度利益率も限界があります。
特に国から製品によって定価(償還価格)が決めれらている為、利幅も限界があるのです。
よって、給与に関しては出世して行かないと金額的にも厳しいかと思います。
まとめ
代理店営業は一つの病院でどこまで深く関係を築くことができるかが腕の見せ所かと思います。
メーカーが病院に営業をかけても、00代理店の00さんに話しておいてくれる?などと製品導入に関する相談もされることがあります。
また、契約がある為、販売が0になることは少なく、利益率をどこまで取れるかも営業次第となってきます。
一方でメーカー、病院側との仕切、納入価格の交渉が大変だったり、夜間休日の緊急などの対応が大変だったりもします。
また、意外に多忙な割りに給与はさほど高くはないという点はご理解頂いた方が良いかもしれません。
それでも転勤などの心配が比較的少なかったりもしますので、このあたりはそれぞれの考え方になるかと思います。
代理店営業のおおよそがお分かり頂ければ幸いです。
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