みなさんは医療機器メーカーや製薬会社の営業に対してどのようなイメージをお持ちでしょうか?
高収入、激務、きつい、接待、成績不振だとリストラなど色々とあると思います。
この中で「きつい」という言葉をよく聞きませんか?
しかし、一般的には高収入な分野であることは間違いありません。
それでは実際には何がきついのでしょうか。
今回は代理店、メーカー営業の両方を経験している私からきついと感じたことを記載していきたいと思います。
転職などを検討されている方の参考になればと思います。
年収1000万でも!?ここがつらいよ、きついよ。医療機器営業のケース
私が経験してきた中で大きく分けると、社内の人間関係、業務負荷、売上目標に対するプレッシャーかと思います。
ただ、人間関係と売上に対するプレッシャーは医療機器業界だけではなく、どの仕事にも共通しているかと思います。
業務負荷は医療機器業界特有かもしれません。
社内の人間関係
上司の重圧
これは会社にもよりますが、放任型か管理型かで変わります。
放任型に関しては日々で感じるストレスはないかもしれませんが、放任の場合のきつさはほとんどの決断、判断を自分で行わないとならない点かと思います。
色々と問題が発生し、上司に相談しても、「お前はどう思うの?」と返ってきます。
そこで自分の考えが言えないと、「考えてみて。任せるよ。」って感じでしか回答が返ってきません。
なので、指示がないと動けないような方にはメンタル的には厳しいかもしれません。
逆に管理型の上司だと、自分のやり方が上司に合わないと文句を言われることがあるでしょう。
「お前はその時何て言ったの?」「お前はその時どうしたの?」と聞かれた時に、上司が持っている正解に違う回答だとやはり文句を言われます。
ちなみに前者のケースだとミスは部下の責任、成功に関しては都合よく手柄にされます。
後者に関してはミスをする前に管理しているので、そのあたりのリスクは下がります。
成功に関しては前者と同じで自分がきちんと面倒をみていたという話になることが多いと思います。
ただ、大体周囲は上司の特徴に気付いていることが多いので、自分の手柄に全くならないということはないと思って大丈夫かと思います。
先輩からの重圧
他人に興味がない先輩もいれば、お節介で干渉してくる先輩もいます。
他人に興味がない先輩は自分が売れて、給与をもらえていれば他人がどのような状況であっても特に気にすることがない人かと思います。
ただ、積極的に情報共有はしない傾向が強いので、もし自分が情報が欲しいと思ったら自ら取りに行く必要がありますね。
厄介なのはお節介で干渉好きな先輩です。
こちらは後輩指導と言いつつ、上司への社内営業のダシに使われることが多いです。
なので、できないことなどについてやたら絡んできます。
また、成績が向上してくると悪い部分を探して、そこについてを課題だとか、どうなっているんだなどの圧力をかけてきます。
本当に上司でもないのにこの人はなんなのか?と思うことが多いかと思いますが、一定数このような人達はやはり存在します。
このような人達をかわして仕事をしていくのはきつい部分かもしれません。
かわす術を身につけるのが最適となります。
同僚からの嫉妬など
先輩と共通する部分ですが、自分が売上成績が向上してきた際に粗探しをしてくる人もいます。
これは出世欲が強い人、ポジションを守りたい人達に多い傾向があります。
他人に成績を伸ばされると困る、他人が成績向上して評価が高くなると自分のポジションが危ういなど。このような人達には嫉妬されて、嫌がらせをされることもあると思います。
これもまたかわしていく、もしくは出世をしたいのであれば、戦い続けないとならないというのもきつい部分かもしれません。
周囲以上に、上司への社内営業なども必要となってくるかと思います。
業務負荷
学習
医療機器は使用する顧客が医師やメディカルスタッフになります。
なので、やはり製品に関する重要事項の説明、特にリスクに関してはきちんとお伝えしないとなりません。
おそらくですが、どこの会社も入社直後に取り扱う製品が対応している疾患、製品に関する座学トレーニングを行い、テストで合格したら現場へ出るという流れになると思います。
この初期段階でのトレーニングの内容は基本的なことだけなので、アップデートは自分で行っていく必要があります。
なので、学習は基本です。
疾患に対する治療や検査のトレンドは常に少しずつ変わっていきます。新しい情報に関しての情報収集などはやはり常に自分で仕入れて行かないとなりません。トレーニングを受けた時の情報で止まっていると、今までセオリーとしていた事が変化しているなどという事も出てきます。
また、この業界にいる以上は、自分の担当エリアに関する情報収集、全国情報、海外の最新機器の情報(海外製の新しい機器は大体欧州などで最初に使用されます)は入手しておく必要があるでしょう。
今では、領域によってはYouTubeなどで海外の治療のライブ映像を仕入れたりすることもできますね。
とにかく勉強の継続が必要になるので、人によってはきついと感じるかもしれません。
休日・緊急対応
これは医療機器特有かもしれません。
ただ、取り扱う医療機器が治療に使用するものでなければ、対応はないと思います。治療に使う機器を取り扱いの場合はこれはある程度避けられないかと思います。
休日、夜間に連絡がきて、「これから治療です」となります。やはり一旦は気持ちが落ち込みますね。休みなのに、寝てたのにって感じです。
夜中に寝ようとしているところに連絡が来る時は特にきついですね。体も疲れていますので。
ただ、休日出勤手当てというのがあり、これが実は結構魅力です。ほとんどの会社は自分の基本給を元にして、時給を決めています。なので、大体3000円ぐらいから、基本給が高い人だと5000円以上の時給で休日に働くことができます。
若いうちであればこれはこれで魅力かもしれませんが、体力は削られたり、家族がいるとため息にはなるので、メンタル面できついかもしれません。
また、体力的にきついのが、研究会、学会の対応です。
会場でのサポートや展示ブースなどを出しているケースではブースでの顧客対応などになります。こちらも基本休日対応として時間外手当は出ます。
緊急治療は予定外で急に入ってくる仕事なのできついのですが、研究会・学会は事前に報告しておけるし、予定にできるので心構えもできているので苦痛には感じませんでした。
いずれにしてもオフは仕事絶対したくないっていう方にはストレスできついかもしれません。ただ、どの分野も完全週休2日というのは現在ではなかなかないのではないかというのが私の考えではあります。
なので、高時給で働けるのであれば、まだ悪くはないかなと思ったりしています。
事務仕事
こちらは見積書の作成、資料作成などに時間がかかるということかと思います。
訪問での営業活動をしてきた後に次の訪問の準備が必要になります。
見積書の作成、プレゼンに使用する資料の作成、デモ製品を準備したりなど。
ちなみにプレゼンで使用する資料は大体会社から、これを使ってくださいと渡されます。
が、他社の誹謗などにならないようにという規定もあったりするので、これで
どうやって説明すんねんという内容になっていることが多いです。
なので、自分で追記する必要が出てきます。
本当はやっちゃダメなのですが、そのままプレゼンして、売れませんという風になっても会社は助けてくれないので、やっている人がほとんどかと思います。
なので、画像、動画の貼り付け、説明図の作成ぐらいはパワーポイントでできるようになっておいた方がいいかもしれません。
転勤・異動
医療機器メーカーにいると結構避けることが難しいのが、異動に伴う転勤だったりします。
担当配置の転換に伴う異動転勤、昇進に伴う転勤、事業部異動に伴う転勤など。
全国規模のため、どこに行くかはわかりません。
異動にも色々とあり、力を借りたい転勤もあれば、成績や医師からの評判が振るわずに転勤というケースもあります。
独身だったらまだしも、お子さんがいたりすると単身赴任もあるので、それもまたきついところです。
独身転勤や単身赴任だと、休日に1人でいることが増えるので、それはそれできついかと思います。
家族で行っても、家族も見知らぬ土地に行くことになるため、知り合いを一から作るという点ではきついでしょう。
ただ、これはプラスに捉える人もいて、知らない土地を経験できたり、食文化に触れることができるなど、決して悪い面だけではないということも言えるかと思います。
売上目標に対するプレッシャー
進捗の確認
これは営業であればどこに行ってもあるものですね。
もちろんこちらは詰めがきついですね。
大体どこのメーカーも3ヶ月に1回会議があり、これからの3ヶ月の戦略と前の3ヶ月の振り返りを行います。これが結構きついです。
自分で考え、この活動をして、売上アップさせます!と言っても、
「それで本当に売れる?」と確認が入ります。
また、これで売れるって言ってたけど、達成していないけどどうして?など、無茶苦茶これがきつい。
回答がロジカルでないとまず袋叩きにされます。
成績達成していても、理由が不明瞭出会ったり、再現性が低いとこのあたりの分析がきちんとできていないとかなり詰められます。
逆に未達でも理由が納得できるものであれば特に何も言われません。
ちなみに私は外資しか経験していませんが、内資もこのような会議はあるみたいです。
しかし、業績が悪いのを理由にリストラをしたり、などはない模様です。
どちらかというと社内向けの営業をしておくことで大概がクリアになるとのことでした。
まとめ
今回はきついと言われる医療機器業界の営業について、実際に何がきついのかを記載させて頂きました。
人間関係、業務負荷、売上に対するプレッシャー。
大きく分けるとこの3点が大きな焦点になるのではないかと思います。
人間関係と売上に対するプレッシャーはどこの業界でも同じではないかと思います。
やはり1番のネックは医療機器業界特有の業務負荷問題ではないかと思います。
特に疾患、検査、治療に関するトレンドは常に変化しますので、情報収集はどうしても必須になります。
また、医師も最新の情報を営業には求めますので、これができないのは致命的になってきます。
なので、この学習に対しての部分をクリアにできるかが1番のネックかと思います。
医療機器業界の営業の収入は一般的には高水準かと思います。
それと天秤にかけた際に上記のことに耐えうることができる方であれば、努力した分の報酬を手にすることができるのではないでしょうか。
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